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06.分析手法と事例の紹介(1)

06.分析手法と事例の紹介(1)

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ここからは、具体的な分析手法を示します。
どのようにデータを見ていくか、データ分析をどのように経営に役立てるかの基本的な考え方を見てみましょう。
ここでは、スーパーAの分析を行うとしてどのような手順をなるかを想定してみました。

これらのグラフはほとんどはEXCELを用いて作成することができます。

1.経営全体に関する指標レーダー

経営全体の状況を見るには、財務に関する重要な指標をレーダーチャートで見てみる、損益分岐点図表等で利益が発生する時期はいつかを予測するなどです。

レーダーチャートの指標は、損益計算書・貸借対照表などから主要な財務指標を算出し、表にまとめます。
表からチャートを作るのはExcelなどのツールを使用しましょう。

2.部門別業績の把握

次は、この業績を生み出している原因は何かを知りたいですよね。切り口としては、部門(カテゴリー)別月別の売上高と利益率等から部門別の業績を把握することにしましょう。

 部門ごとの金額は棒グラフ(左の縦軸)で表すことにします。同時に利益率も見たいですが金額とスケールを使用すると%はほとんど見えないので、%スケール(右縦軸)を利用して折れ線グラフで描くことにします。

一般食品がずば抜けて高い売上を示しています。これは意図してそうなったのでしょうか、それとも・・・

3.期間比較(全社)

本年度(単期)での業績の状況は把握できたとします。でも今年の業績は過去と比べてどのような状況になっているのでしょうか。

期間比較は、多くの場合今期を含めて過去3期のデータを用いて行います。

ここでも、まず全社を見て次に部門別の状況を把握することにします。全社では売上高・利益額はいずれも右肩上がりになっており好調に見えますが、利益率を見てみると過ごしずつポイントが下がってきています。9年度の売上高は12月だけ、他の月とは異なっている(他の月は、9年度が最高なのに12月だけは昨年より下がっている)ことがわかります。
この原因は何かを知りたいところです…


 

 

 

4.部門(カテゴリー)分析

部門別分析前述の期間比較は、月別の3期実績の比較でした。カテゴリー分析では、各カテゴリーでの年間実績(売上高)・利益額を3期比較することにします。

カテゴリー間を比較して他のカテゴリーと異なる状況になっている個所に丸でマークをしてみました。

表も付けていますが、傾向気づくとか「あれ?」と思うような点を見つけるとかは、表形式データからは発見しづらいものです。これを感覚的に気づけるのがグラフ化するメリットです。

このように徐々に細かく見てゆき問題点を絞り込んでいきます。

5.期間比較(カテゴリー)

カテゴリーについても全社と同様に、期間比較をしてみることにします。
(手法は全社と同じなので図表は割愛しています)

ここまでは1~5の実施順序を意識していました。
ここからは、順序はなく上記を行いながら並行してみてみるデータを例示しています。

6.商品の貢献度を分析する

商品力売上高は、売り場スペースの大小で変化します。売れる商品には大きなスペースを与えたいはずです。
なので、商品単品で見たときにはどのように売り上げに貢献しているかを見てみるとします。

バブルチャートで、売上高の大きさと売り場面積の関係を表してみました。一般食品や青果は売上高は高いですが同時に売り場面積もかなり広くなっています。

単位面積当たりの売上高・利益額を見てみると、たばこ・切手やパンは、一般食品や青果より優秀ということになります。(注意:だからと言って一般食品や青果を即売り場縮小には結びつきません。スーパーの目玉は生鮮三品です。)

商品の貢献度を、売り場面積などの「商品自体が持っている商品力」のみで測定しようとする場合には、計算式で算出する方法もありますが、それば別の機会に行うこととしましょう。

7.月別売上高の変動を把握する(季節変動)

季節変動どのような商品であれ「毎月おなじような売り上げで推移する」なんてことはないはずです。月によって売り上げが変動する。また毎年同じように変動を示しているのか、そうでないのかを知ることも大切です。これは、しばしば仕入予測に活用されます。

季節変動を比較的簡単に求める計算式がありますから利用してみてください。
ここでは月別平均法(過去3~5期の月別売上高を集計し、12で割った平均値で、各月の集計値を割って季節指数とする方法。年々の季節変動が概ね似ており、一時変動などの不規則変動が少ない場合に適している。)を用いています。

 色がつくとわかりやすいですよね。office2007以降のExcelには標準機能でセルに色づけ(条件付き書式)がありますので簡単に表現できます。

8.客単価分析

客単価を調査することは、顧客管理を重視して、顧客ランク別のサービスを提供しようとするなどの顧客囲い込みや販売促進を行おうとする場合には、必須のデータ分析です。

平均客単価の月別推移を3期間比較してみる(縦軸は客単価、横軸は月、折れ線グラフ)などしましょう。

9.バスケット分析

お客様は、どの用品の組み合わせを行って購買されるのでしょうか。言い換えれば商品Aと商品Bは一緒に購買されることが多い。この組み合わせを発見することです。一緒に購買されることの多い商品は、売り場を近づけると売れす可能性が高まるはず。これがカテゴリーや祭事・イベント実施時の陳列の基本的な考え方であるはずです。

(例)寒くなると、「鍋コーナー」ができる。鍋コーナーの陳列を見てみると・・・

しかし、この組み合わせは客層によって異なります。若い女性が多く来るスーパーと年配者が多く来るスーパーは品ぞろえが変わるはずです。
だから、自社の状況をきちんと把握することが必要となります。

縦軸・横軸は商品名、クロスする位置に同時に購買された回数をプロットします。

また、この分析は統廃合を検討する際にも役立てることができます。

次節では、お客様を囲い込んでより優れたサービスを展開するにはどうするか・・・ということを、考えてみましょう。

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